ミニコラム:Grammar in Everyday Life #3:“a little” と “little” はどう違う?形容詞を修飾するときの“a little”の正体とは?

Grammar in Everyday Life

テーマ

“a little” / “little” / “slightly” の微妙なニュアンスの違い


前置き

英語を学んでいると、ふと「あれ?これって、こういう風に使うんだっけ?」と迷う瞬間がありますよね。
私自身も前回の記事を書いていた時に、一瞬、あれ?“a little tricky” だっけ?と混同しそうになったことがあります。(前回記事はこちらから

例えば、以下の例文

🔹It’s a little tricky. ✅

🔹It’s slightly tricky. ✅

🔹It’s little tricky. ❌

なぜ “little tricky” は不自然で、“a little tricky” は正しいのでしょうか?
今回のミニコラムでは、そんな「小さな疑問」を出発点に、英語のニュアンスを丁寧に見ていきます。


例文とポイント

例文

🔹It’s a little tricky.

🔹It’s slightly tricky.

🔹It’s little tricky.

ポイント

ここでのポイントは、単に文法の正しさだけでなく、言葉が持つ微妙なニュアンスです。

解説

解説①: “a little” は副詞句として働く

🔹“a little” はもともと名詞句ですが、ここでは副詞句として形容詞を修飾しています。

🔹「少しの量」という意味から転じて、「少しの程度」という意味で形容詞を修飾できるのです。

🔹つまり、“very” や “quite” のように、形容詞の前に置いて程度を表せます。


解説②: “little” が否定寄りの語感を持つ理由

🔹“little” は「ほとんど〜ない」という否定的なニュアンスを持ちます。

🔹例えば “little interest(ほとんど興味がない)” や “little money(ほとんどお金がない)” のように使われます。

🔹そのため、“little tricky” は文法的には間違いではないものの、実際の英語ではほとんど使われず、不自然に感じられるのです。


解説③: “a little” と “slightly” のニュアンスの違い

🔹a little:口語的で柔らかく、話し手の主観的な感覚を伝える

🔹slightly:書き言葉寄りで中立的、控えめで洗練された印象

🔹たとえば、文章を少し落ち着いた洗練した印象にしたいときは slightly を選ぶと自然です。


まとめ:微妙なニュアンスを理解する

表現焦点ニュアンス
a little主観的・話し手の感覚柔らかく、「ちょっとね」という印象
slightly客観的・書き言葉向け控えめで洗練された印象
little否定的・不足を示す「ほとんど〜ない」の意味で、不自然に感じやすい

英語の “a little” は単なる量を表す表現ではなく、話し手の感覚やニュアンスをそっと添える魔法のような表現です。


編集後記

今回のテーマも、まさに自分の英語ライティング中の小さな混同から生まれました。

ちょっとした違和感に立ち止まること――それこそが、英語を自分の言葉として身につけるチャンスです。

“a little” や “slightly” を感覚で使い分けられるようになると、文章や会話に自然な「自分らしさ」がにじみ出てきます。

👉 各回の記事はこちらからご覧いただけます。(順次更新予定)
シリーズ#1
日本語版: “was” と “is” の違い ― 英語で描く“事実と回想”の境界線
英語版: Mini Column: Grammar in Everyday Life #1 – “was” vs “is”: Understanding the Boundary Between Facts and Recollections in English
シリーズ#2
日本語版:ミニコラム:Grammar in Everyday Life #2:do の強調構文 ― “I did go” と “I went” の違い
英語版:Mini Column: Grammar in Everyday Life #2 – Emphatic “do”: The Difference Between “I did go” and “I went”

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