こんにちは。ご訪問いただきありがとうございます!
今回は、私が ケンブリッジ英検 CPE のスピーキング試験で、合格ライン(約60%)を突破するために実践した**「たった一つの戦略」**についてご紹介します。
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この記事はこんな方におすすめです
- スピーキングで高得点は狙っていないけど、ギリギリでもいいから合格ラインを上回りたい
- 緊張して話せなくなりそう… と不安を感じている
- ペアの人が上手すぎたらどうしよう? と心配している
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初めてお越しの方へ:ちょっとだけ自己紹介
私はイギリス在住時代に、FCE → CAE → CPE と、ケンブリッジ英検を段階的に受験・取得してきました。
今回ご紹介する戦略は、CPE(C2 Proficiency) を受けた際に実践したものですが、CAEやFCEを受験する方にも十分に応用できる再現性の高い方法だと思いますので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
(※FCEやCAEを受験される方も、「この方法、使えるかも」と思ったら、ご自身が受験するレベルの評価基準に合った“自分だけのお守り表現”を見つけて取り入れてみてくださいね。)
なお、私がCPEを受験したのは、現在の試験形式に改定される少し前のことです。
ただ、スピーキング試験の構成や評価基準は大きくは変わっておらず、この戦略は今の形式でも十分に通用する内容だと感じています。
ケンブリッジ英検CPEは体験談が少ないため、実際の受験者の声を探している方も多いと思います。
この記事が少しでもお役に立てばと思い、今回ご紹介することにしました。
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結論から言うと…
私がやったのは、たったひとつのシンプルな戦略です。
「無理にたくさんの語彙やフレーズを詰め込んで使おうとしない。テーマが何であっても、あらかじめ決めたCPEレベルの“5つの表現”を自然にかつ絶対に使い切る。」
この考え方が、緊張しいの私にとって大きな支えになり、結果的に試験を乗り越える力になりました。
これから、具体的にどんなふうに実践したのか、実際にどんなエピソードがあったのかをお話していきますね。
CPEクラスの先生が教えてくれた「たった一つの戦略」
CPEを受けるにあたって、私は試験対策のクラスに通っていました。
そこで出会った先生が、私にとって本当に特別な存在でした。
その先生は、ノンネイティブ(欧州出身)でありながらCPEをほぼ満点のAレベルで合格された方で、ご自身の経験から非常に具体的で実践的なアドバイスをくださいました。
スピーキングに関しては、クラスでの練習は全くありませんでしたが、先生からいただいた唯一で最強のアドバイスはこれでした。
「スピーキングでは、CPEレベルの語彙・フレーズ・文法構文を事前に決めて、どんなテーマが来ても、必ず自然に全てを使い切ること。」
CPEレベルの50個の語彙・フレーズ・文法構造を事前に決め、どんなトピックが来ても試験で必ず自然に全てを使い切るつもりで準備するよう助言をいただきました。
この方法は、先生ご自身も実際に実践し、高得点を獲得したものです。
一見シンプルですが、「話すこと」に意識が向きすぎて、評価基準に合った語彙や構文を使いそびれる受験者が多い中で、あらかじめ「使うものを決めておく」という考え方は、**試験に向けての“最強の備え”**になると感じました。
私の場合は…
ただ、正直なところ、私は50個を自然に使いこなすのは無理だと最初から思っていました。
本番の緊張の中で、そんなにたくさんの表現を思い出す自信がなかったからです。
そこで私は、自分なりに「5つだけ」に絞り、そのかわりに、どんなテーマが来ても必ず自然に全てを使い切ると心に決めました。
この「5つのお守り表現」が、私にとっての大きな支えになったのです。
CPEスピーキングで私を助けた“5つのお守り表現”
「たった5つ」に絞るという決断
最初は、「そんなに少なくて大丈夫かな?」と自分でも不安でした。
CPEはケンブリッジ英検の最上級レベル。
求められる語彙や文法のレベルは非常に高く、たった5つでは不十分なのではないかという思いが、常に頭をよぎっていました。
でも、どれだけ多くの表現を知っていても、それがどんなに難易度が高くても、実際に自然に使いこなせなければ意味がありません。
知らないのと同じなのです。
大事なのは、試験という限られた時間の中で、自然な文脈で自分の言葉として使いこなせることです。
そこで私は、「自分が自然に使いこなせる」と確信できるものだけを厳選することにしたのです。
ポイントは、 「自分にとって自然に使えるかどうか」ということで、以下の基準で5つの表現を選びました。
- 自分が自然に自分らしく会話の中で使いこなせるもの
- どんなトピックでも応用できる汎用性の高いもの
- 試験官にしっかりと印象を残せる表現
この基準に沿って選んだのがこちらです。
私の“5つのお守り表現”
1. 3rd conditional(仮定法過去完了)
これは、どんなテーマにも柔軟に使えますし、「仮定法の中でも最も難しい形の一つ」を自然に使うことで、言語運用能力の高さをさりげなくアピールできます。
私にとっては使いやすく、自然に口に出せる好きな構文だったので、迷わず選びました。
2. 3rd conditional (仮定法過去完了)+ Inversion (倒置法)
これは、3rd conditionalよりもさらに一段難易度の高い使い方。
3rd conditional (仮定法過去完了)を倒置形にすることで、文の洗練度や表現の多様性が際立ち、標準的な仮定法過去完了よりも高い印象を与えることができます。
ちなみに、私は仮定法過去完了の通常形とこの倒置形を別のトピックでそれぞれ1回ずつ使うと決めていました。
そうすることで「知っている」ではなく「使い分けている」という印象を与えることができると考えたからです。
3. 関係代名詞 “where”
文法的にはそこまで難しくありませんが、どんなトピックにも自然に取り入れやすく、他の構文と組み合わせることでレベル感を上げられるのがポイントです。
私は仮定法や分詞構文と合わせて、「文章構造にバリエーションがある」ことを見せるよう意識していました。
4. 語彙: “Categorically”
これは一言で、「一発で印象に残る語」。
ちょうどその頃に習ったばかりで、記憶にも新しかったため試験で使ってみました。
使い方を間違えると不自然になってしまう可能性がありますが、上手くハマれば強い主張や確信を表すときのパワーワードとして非常に効果的です。
5. Perfect participle phrase (完了分詞構文)
定番の “Having said that” だけではなく、あえてもう一歩進んだ使い方をすることで、よりアカデミックで論理的な印象を与えることができます。
これは様々な場面で活用できて非常に有用ですが、使いすぎるとくどくなるので、これ一辺倒にならないよう注意が必要です。
(例) “Having examined the pros and cons, I …” / “Having considered the alternatives, I…”
お守り表現は、あくまで“軸”
これら5つは、私にとって「安心材料」でもあり「軸」でもありました。
本番では、トピックによっては瞬時に表現を差し替える柔軟さも必要ですが、この5つが頭に入っていたことで、迷ったときの“帰る場所”があったように思います。
ここでは、私の5つのお守り表現を一つの例としてご紹介しましたが、「この方法、使えそうかも」と思ってくださった方は、ぜひご自身が自然に使いこなせる“自分だけのお守り”を見つけてみてください。
本番で緊張してしまっても「これだけは絶対に使う」と決めておくだけで、思った以上に安心感が生まれますよ。
可能であれば、試験の序盤で使い始めることを意識すると、さらに効果的です。ぜひ試してみてくださいね。
ちょっとした“裏ワザ”
ここからは、ちょっとした“裏ワザ”のご紹介です。
お時間のない方は、この部分はスキップして「ペアは敵じゃない。一緒に揺れる吊り橋を渡るパートナー」へどうぞ!
スピーキングの“裏ワザ”TIP:話題を「自分の土俵」に引き寄せる
先ほどご紹介した5つのお守り表現を活用する以外に、私が本番で意識していたことがもう一つあります。
それは、**「話を自分が話しやすい方向に自然に誘導すること」**
試験ではどのようなテーマが出題されるか事前には分かりません。
そこで私は、どんなテーマにも応用できるような実体験を、“お守り表現”と結びつけて事前に準備しておくようにしました。
実体験を選んだのは、自分の思いを込めて話すことで、より強い説得力が生まれると考えたからです。
本番で、話題がその実体験と少しでも関連しそうだなと思ったときには、会話の流れの中で自然に話題をそちらに誘導し、事前に用意していた表現を使うよう準備していました。
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この裏ワザを使う際のポイント
- 不自然な話題の逸らし方はNG。あくまで「自然な範囲で」「関連性があるように見せる」こと
- 暗記ではなく、“自分の言葉”に落とし込むこと
丸暗記はダメです。丸暗記した文をそのまま話すのではなく、内容をしっかり自分の言葉に落とし込んだうえで、話の流れに合わせて柔軟に言い回しを調整できる状態にしておくことが重要です。
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私が実際に準備していた文章の一例
たとえば、私が実際に用意していたのは次のような表現です:
After facing many difficulties, I found myself in a situation where I needed a great deal of support from my friends.
Had it not been for their help, I couldn’t have overcome the situation.
I really appreciate that they were there for me throughout the whole experience.
(お守り表現の仮定法過去完了(倒置形)と関係代名詞(where)を組み合わせて使っています。)
もっと難易度の高い単語を入れ込むこともできたかもしれませんが、この文章は私自身の実体験に基づいており、自然な形で思いを込めて話したいと思っていたので、このような形になりました。
そして実際に、本番でもこの文章を使うことができました。
ペアは敵じゃない。一緒に揺れる吊り橋を渡るパートナー
私のペアになった方は、クラスメイトではありましたが、ほとんど話したことのない、いわば“初対面に近い存在”でした。
というのも、彼女は非常に英語力が高く、クラスにもほとんど顔を出していなかったからです。
スピーキング試験の会場で、しっかりと顔を合わせたのはそのときが初めて。
実際に話すのを見て、彼女の流暢さと語彙力の高さから、「これは相当レベルが高いな」とすぐに分かりました。
ただ、正直なところ、その時点ではそれすら気にしている余裕もなく、逆にそれがよかったのかもしれません。
とはいえ、私自身の緊張が伝わってしまい、ペアの方にも相当なプレッシャーを与えてしまったかもしれない…と後から思ったのですが、そんな私が、最初に CPEレベルの“お守り表現” をひとつ入れて話し始めたとき、明らかに、空気が変わりました。
ペアの方が、うんうんと大きく頷いてくれたんです。
私の声は、まだ少し震えていたと思います。きっと彼女も、最初は「この人、本当に大丈夫かな?」と、内心ちょっと不安に思っていたのではないかと思います。
でもその瞬間、少しだけ信頼してもらえたような気がしました。
さらに、試験官も興味深そうに頷きながら聞いてくれているのが視界に入り、緊張の中でも「自分の言いたいことが伝わっている」と感じられたのです。
このとき、心の中ではっきりと感じたのは、ペアは敵じゃない。一緒に揺れる吊り橋を渡るパートナーなんだということです。
手を取り合うわけではないけれど、風で揺れる吊り橋を、同じペースで渡っていくような感覚です。もちろん、試験中に言葉を交わすことはできないけれど、心の中で「大丈夫、一緒に乗り越えよう」と伝え合っているような、そんな気持ちになりました。
まとめ
「ペアがすごい人だったらどうしよう」「緊張しすぎて声が震えたらどうしよう」
そんな不安を抱えているとしたら——大丈夫です。
私自身、全部経験しました。
でも、だからこそお伝えしたいのは:
自分だけの“お守り表現”があれば、それがきっと心の支えになります。
そして、ペアは敵じゃありません。同じ試練を一緒に乗り越える“同志”です。
緊張しても、言葉に詰まっても、「やると決めたこと」に集中して、自分のパフォーマンスを出し切ること。それができれば、反省はあっても、悔いは残りません。
皆さんの素敵な挑戦を、心から応援しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
※本記事は、筆者の受験体験をもとにした個人的な戦略のご紹介です。試験結果を保証するものではありませんが、少しでも受験のヒントになれば嬉しいです。
※次回は、ケンブリッジ英検CPEの裏話:ペアはA評価、私はC評価。でも合格できたリアルな話 (※クラス全体の合否データも公開!を紹介します。) [次の記事はこちら]