イギリス(Barclays)銀行の口座を日本から書面のみで解約した体験談

皆さん、こんにちは。ご訪問いただきありがとうございます!

今回は、長期間放置していたイギリスのBarclays(バークレイズ銀行)の当座口座(Current Account)とInstant Cash ISA口座を、日本から書面のみで解約した実体験をご紹介します。

両口座とも残高は少額だったため、返金や送金などは希望せず、純粋に「口座を閉じる」ことを目的としたケースです。

解約したのは1年半ほど前のことですが、最近友人から「昔の海外口座ってどうすればいいの?」と相談され、私が解約した時もあまり情報がなかったので、もしかしたら、以前の自分のように困っている方が他にもいらっしゃるかもしれないと思い、この体験をまとめてみることにしました。

私の場合は、イギリス在住時にオンラインバンキングの設定をしていなかったため、オンラインバンキングは使えず、当座口座に加えて、Instant Cash ISA口座も保有していたため、書面で解約することにしました。

この記事は、こんな方におすすめです

  • 返金や送金などは希望しないので、とにかく自力で口座を解約したい
  • 現地に行く予定がないので、日本から解約したい
  • 電話ではなく書面で解約したい

[結論]

状況が複雑に絡み合い、都度対応を検討しながら何度もやり取りを重ねるうちに、解約完了までに1年以上かかってしまいました。とはいえ、最終的には一度も現地に行かず、書面だけで無事に解約することができました。

この経験を通じて感じたのは、最初に全体像を把握しておけば、もっとスムーズに進められたかもしれないということです。この記事では、私が実際に直面したつまずきや工夫も含めて共有することで、同じような状況にある方が少しでも短い道のりで解約にたどり着けるよう願って、まとめています。

解約を決めたきっかけ:Instant Cash ISA口座の納税地届け出レター

きっかけは、バークレイズ銀行から届いた「納税地(Tax Residency)を届け出てください」という内容のレターでした。これは、法律の変更に伴い、海外在住者が口座を保有する場合に銀行が求めている手続きです。

私はこの口座に少額の残高しかなかったのですが、念のため、管轄の税務署にも「この海外口座に関して日本で納税義務があるか」を確認しました。税務署からは、私の場合は特に納税の必要はないと回答をいただいています。

ただ、銀行の要請は別問題。納税義務とは関係なく、銀行の要件として「納税地届け出」が必須のため、これを機に口座の解約を決意しました。

解約手続きの壁と苦労した点

書面で解約しようとした際に、以下のような問題が次々と出てきました。

1. サインの不一致

解約フォームに記載したサインが、口座開設時に登録したサインと違うと言われました。長期滞在者にありがちなことで、最初はローマ字や筆記体のサインでも、年月を経て変わってしまうものです。

2. 住所登録の不一致

帰国の際に、バークレイズ銀行には実家の住所を登録していましたが、現在は、別の現住所に住んでおり、住所変更が必要になりました。

3. 住所変更には身分証明書と現住所証が必要

住所変更には、身分証明書と現住所証明書の提出が求められます。

4. パスポートのサイン問題と現住所欄の廃止

海外で使える身分証明としてのパスポートのサインは漢字で、現住所の記載がないため、現住所の証明には使えません。

複雑な条件がいくつも絡み合い、堂々巡りに…

解約には「サイン更新」が不可欠。しかしサイン更新には身分証明書が必要で、身分証明書(パスポート)のサインは漢字。登録住所と現住所も違う…。住所変更にも身分証明書と現住所証明書が必要。パスポートには現住所の記載もない…。と、まさに堂々巡りの状況でした。

解決策:住民票の取得と翻訳証明書の提出

銀行からは「certified copies of ID and current address verification(認証済みの身分証と現住所証明書)」を提出するように言われましたが、日本にはイギリスのように簡単にcertifyしてくれる制度(たとえば郵便局員や銀行員による証明)はありません。

公証役場での正式な認証はありますが、手間と費用がかかるため、まずは住民票原本+翻訳会社による英訳+翻訳証明付きで試してみることにしました。

住民票は公的機関が発行しているので、現住所証明にもなり、身分証明の役割も果たせるため、一石二鳥と考えたためです。自治体によっては、英語で発行してくれる場合もあるようですが、私の住んでいる地自体では、英文での発行はありませんでした。

そこで、住民票の原本を取得し、こういった証明書などの翻訳を専門に扱う翻訳会社に、住民票の英訳と翻訳証明書の発行を依頼しました。翻訳会社に依頼した理由は、翻訳証明書を発行してくれるからです。この翻訳証明書は、この解約手続きに非常に有効だったと考えています。

*銀行からの書面には、明確に「住民票でOK」とは書かれていませんでしたが、一つの参考事例としてご紹介しています。

その後の手続きの流れ

住民票の原本、英語翻訳版、翻訳証明書、カバーレターを、Instant Cash ISA口座と当座口座(current account)それぞれ別々のクリアファイルに入れ、まとめて一つの封筒に同封して送付しました。

  • 口座解約完了の通知はありませんでしたが、約1ヶ月後に、当座口座のステートメントが届き、そのステートメントで口座が解約されていることを確認しました。その後、過去5年分のステートメントの束も送られてきました。
  • ISA口座に関しては、当座口座とは担当者が別だったのか、サインがないため解約不可との返答が届きました。また、リファレンス番号はあったものの、サインの件については、これまでの経緯は共有されていないようでした。

再チャレンジとInstant Cash ISA口座の最終処理

担当者によって対応が変わることもイギリスではよくあるため、少し期間を空けて、同じ書類一式を再送しようと思っていたところ、当座口座解約から、約2ヶ月後に、銀行から「長期間Instant Cash ISA口座が使われていないため、維持希望かどうかを連絡してください。連絡がなければクローズします」という内容の通知が届きました。連絡しなかったため、ISA口座も無事解約となりました。

ちなみに、Instant Cash ISA口座の残高については、将来的に希望すれば払い戻しを請求することが可能とのことです。ただし、どのように請求するかの詳細は書かれていなかったため、必要な場合は銀行に直接確認することをおすすめします。

まとめ


私の場合はこの方法で解約できましたが、銀行の対応や必要書類は、状況や時期、担当者によって異なると思いますので、確実に解約できるかどうかは分かりません。
れでも、私の体験が同じような状況の方にとって、少しでもヒントになればうれしいです。

皆さんが無事解約できることをお祈りしています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

バークレイズ銀行公式の口座解約フォームはこちらから↓(2025年8 月末現在)

How do I close an account with you? | Barclays

Account Closure Instructions

※本記事は筆者の個人的な経験に基づく内容です。解約を保証するものではありません。銀行の対応や必要書類は、状況や時期、担当者によって異なる場合がありますので、実際に手続きをされる際は、必ずご自身で最新の情報をご確認ください。

*次回は、ケンブリッジ英検のスピーキングで、合格ラインを上回るために私が実践したたった一つの戦略をご紹介します!

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