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“a little” / “little” / “slightly” の微妙なニュアンスの違い
前置き
英語を学んでいると、ふと「あれ?これって、こういう風に使うんだっけ?」と迷う瞬間がありますよね。
私自身も前回の記事を書いていた時に、一瞬、あれ?“a little tricky” だっけ?と混同しそうになったことがあります。(前回記事はこちらから)
例えば、以下の例文
🔹It’s a little tricky. ✅
🔹It’s slightly tricky. ✅
🔹It’s little tricky. ❌
なぜ “little tricky” は不自然で、“a little tricky” は正しいのでしょうか?
今回のミニコラムでは、そんな「小さな疑問」を出発点に、英語のニュアンスを丁寧に見ていきます。
例文とポイント
例文
🔹It’s a little tricky.
🔹It’s slightly tricky.
🔹It’s little tricky. ❌
ポイント
ここでのポイントは、単に文法の正しさだけでなく、言葉が持つ微妙なニュアンスです。
解説
解説①: “a little” は副詞句として働く
🔹“a little” はもともと名詞句ですが、ここでは副詞句として形容詞を修飾しています。
🔹「少しの量」という意味から転じて、「少しの程度」という意味で形容詞を修飾できるのです。
🔹つまり、“very” や “quite” のように、形容詞の前に置いて程度を表せます。
解説②: “little” が否定寄りの語感を持つ理由
🔹“little” は「ほとんど〜ない」という否定的なニュアンスを持ちます。
🔹例えば “little interest(ほとんど興味がない)” や “little money(ほとんどお金がない)” のように使われます。
🔹そのため、“little tricky” は文法的には間違いではないものの、実際の英語ではほとんど使われず、不自然に感じられるのです。
解説③: “a little” と “slightly” のニュアンスの違い
🔹a little:口語的で柔らかく、話し手の主観的な感覚を伝える
🔹slightly:書き言葉寄りで中立的、控えめで洗練された印象
🔹たとえば、文章を少し落ち着いた洗練した印象にしたいときは slightly を選ぶと自然です。
まとめ:微妙なニュアンスを理解する
| 表現 | 焦点 | ニュアンス |
| a little | 主観的・話し手の感覚 | 柔らかく、「ちょっとね」という印象 |
| slightly | 客観的・書き言葉向け | 控えめで洗練された印象 |
| little | 否定的・不足を示す | 「ほとんど〜ない」の意味で、不自然に感じやすい |
英語の “a little” は単なる量を表す表現ではなく、話し手の感覚やニュアンスをそっと添える魔法のような表現です。
編集後記
今回のテーマも、まさに自分の英語ライティング中の小さな混同から生まれました。
ちょっとした違和感に立ち止まること――それこそが、英語を自分の言葉として身につけるチャンスです。
“a little” や “slightly” を感覚で使い分けられるようになると、文章や会話に自然な「自分らしさ」がにじみ出てきます。
👉 各回の記事はこちらからご覧いただけます。(順次更新予定)
シリーズ#1
日本語版: “was” と “is” の違い ― 英語で描く“事実と回想”の境界線
英語版: Mini Column: Grammar in Everyday Life #1 – “was” vs “is”: Understanding the Boundary Between Facts and Recollections in English
シリーズ#2
日本語版:ミニコラム:Grammar in Everyday Life #2:do の強調構文 ― “I did go” と “I went” の違い
英語版:Mini Column: Grammar in Everyday Life #2 – Emphatic “do”: The Difference Between “I did go” and “I went”
