ミニコラム:Grammar in Everyday Life #2:do の強調構文 ― “I did go” と “I went” の違い

Grammar in Everyday Life

英語版の記事も公開しています(イギリス英語で書いています)。日本語版では伝えきれなかった細かいニュアンスや、英語での言い回しを知りたい方は英語版もぜひご覧ください。👇
Mini Column: Grammar in Everyday Life #2 – Emphatic “do”: The Difference Between “I did go” and “I went”


テーマ

do の強調構文

前置き

以前リリースした英語記事 **Cambridge CPE Speaking: The One Strategy That Helped Me Pass – Tips for CPE, CAE, FCE & Study Abroad Preparation**の中に、こんな一文がありました。

What I did came down to one simple idea:

文法的には正しいのですが、これを読んでくださった方の中には、「I did come down じゃないの?」と感じた方もいるかもしれません。

実はこの文、構造が少しトリッキーなんです。

「What I did」が主語なので “came down” が正しい――
でも、“did” と “came” の関係を一瞬混同しそうになる、そんな感覚を覚えた方も多いのではないでしょうか。

そこから生まれた今回のテーマが、“do” の強調構文です。

英語を話していて、ふとこんな疑問を感じたことはありませんか?

I did come down は正しいけど、なんで I did came down はダメなの?」
I wentI did go の違いって何?」

どちらも「行った」という過去の出来事を表しているのに、使い方が違う――
この小さな違和感こそが、「文法をリアルに理解する」きっかけになります。

do の強調構文とは?

助動詞 do / does / did は、
ふだん疑問文(Do you…?)や否定文(I don’t…)で使われますが、肯定文で使われるときには “強調” の役割 を持ちます。

I did go to the meeting.
→ 本当に行ったんだよ!(行かなかったと思われている時など)

助動詞の do の後には、必ず 動詞の原形 が来ます。
したがって、

I did went は文法的に誤りです。


“I went” と “I did go” の違い

意味ニュアンス
I went to the meeting.ミーティングに行った。事実の説明。淡々とした表現。
I did go to the meeting.行ったんだってば!(本当に!)強調・反論・意外性などを込める。

つまり、do は「気持ちをこめるスイッチ」

文法的な違いというよりも、「話し手の姿勢」を表す機能なんです。


どんなときに使う?

🔹 誰かが疑っているとき

“You didn’t go to the meeting, did you?”
→ “I did go! I just came late.”

🔹 ちょっと意外なことを強調したいとき

“I did see him at the café yesterday — I’m sure it was him.”

🔹感情をこめて回想するとき

“I did try my best, even if I failed.”


見落としがちなポイント

I did went / I did came / I did saw

I did go / I did come / I did see

助動詞の do / did / does がある場合、後ろの動詞は必ず原形 になります。

つまり、時制の印(-ed)は「do」に吸収されるイメージです。


まとめ:事実と気持ちのあいだ

表現焦点ニュアンス
I went事実淡々と叙述する
I did go話し手の意志・感情強調・反論・驚きなど

英語の “do” は、単なる助動詞ではなく、話し手の感情をそっと添える文法の魔法

「文法」は冷たいルールではなく、思いや意志を伝えるための“温度”をもった仕組みなのです。


編集後記

今回のテーマは、まさに自分の英語ライティング中の一文から生まれたものでした。

文法的には正しくても、「一瞬混乱しそうになる」――
そんな瞬間こそ、英語を自分の言葉として体に落とし込むチャンスです。

英語の “do” は、ルールではなく感覚で使いこなせるようになると、会話にも文章にも「自分らしさ」が自然ににじみ出てきます。

シリーズ#1はこちらから👇
#1: “was” と “is” の違い ― 英語で描く“事実と回想”の境界線

英語版の記事も公開しています(イギリス英語で書いています)。日本語版では伝えきれなかった細かいニュアンスや、英語での言い回しを知りたい方は英語版もぜひご覧ください。👇
#1: 英語版: Mini Column: Grammar in Everyday Life #1 – “was” vs “is”: Understanding the Boundary Between Facts and Recollections in English
#2: 英語版: Mini Column: Grammar in Everyday Life #2 – Emphatic “do”: The Difference Between “I did go” and “I went”

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